初級者向:ガラモン工作の手引(其の2:塗装編) |
〈基本色を作る〉
先ず赤色ですがガラモンで一番明るい“赤"を目指しラッカー系塗料で作ります。
Mr.COLORの78(シャインレッド)をベースに58(黄橙色)と171(蛍光レッド)を
使います。比率は大体6:3:1を目安にしますが、作られる方のイメージでいいと
思います。
ただ171(蛍光レッド)は意外と鮮明に出ますので入れ過ぎに注意しましょう。
最後にフラットベースを入れつや消しにします。
色が完成したら1/3を原液のまま残し、残りはエアブラシ用に2倍に希釈します。
もう一つの基本色の白色ですが、これもMr.COLORのラッカー系塗料を使います。
使う色は69(グランプリホワイト)を基本に、151(ホワイトパール)を入れます。
比率は1:1ですが、どうしてもパールが弱くなるので造型村のSHINE PEARL
(ホワイト※パウダー状)を添加します。
こちらも赤と同じくフラットベースを入れ、つや消しにした後原液を1/3残し、
残りは2倍に希釈します。
〈エアブラシで塗装〉
乾燥後基本色を塗っていきます。※画像はクリアーではなく黒になっています。
組説に載っている完成品画像はウロコ部分はサフレス塗装にしていますが、
今回は下地として全体を白く吹くことにしました。
理由はぬいぐるみ本体やウロコの地色が判っていれば理解頂けると思います。
下地の白塗装が終われば次に151(ホワイトパール)で腹、下半身、腕、脚を塗装し、
パール感を強めます。
をしておきます。ウロコ部分ですがぬいぐるみを忠実に再現したい場合はヒダの一部や、
角を下地の白が若干残るように塗装します。
次の段階でドライブラシで凸部分を明るく立ち上げますのでこれくらいの暗さにします。
混色しエナメル溶剤(X-20)でのばした塗料を塗り込みます。
半乾きになったら筆やペーパーウエス、またはキッチンペーパーを使いエナメル
溶剤で拭き取ります。
※ペーパーウエスについてはカテゴリ“造型・製作便利ツール紹介"参照。
そこでエナメル塗料の黒、赤、茶、白を適量かき混ぜて色を作り筆で塗っていきます。
細い部分は面相筆を使い、塗料がはみ出た部分は乾く前にドライブラシの様な腰の
強い筆を使い、エナメル溶剤(X-20)で拭き取ります。
乾燥後、Mr.COLOR182(つや消し:スーパークリアー)を吹き付け、オーバーレイ
(泣き止め)処理をしておきます。
〈歯の塗装〉
口内をMr.COLOR108(キャラクターレッド)で塗装し、アセトン(またはツールクリー
ナー)で歯の塗料を落とします。筆にアセトンを含ませ剥がしたい部分に数秒間当て
てから拭き取る様に剥がすと簡単に取れレジンが表れます。(これを複数回行う)
塗装し、余分な箇所はエナメルシンナーで拭き取ります。
口内の覗き穴はエナメルで墨入れ処理を施しておきます。
〈ウロコパーツの準備〉
塗装が終わったウロコをランナーから外していきます。
付属の番号シートを使い、同じ数字の位置にウロコを置いていきます。
頭部、背中左右と番号が一部重複しますので、一度に作業する場合は番号シートを
コピーして計3枚用意すると混乱しないと思います。
※1)各部位用のウロコは各パーツのサイド部分のマーキングを参考に振り分けてください。
※2)●=背中左側、 ●●=背中右側、 ○なし=後頭部用 となっています。
また数字が判別出来ないパーツは一旦避けておいて後で位置を合わせていきます。
〈眼球の塗装〉
軽くならした後スポット50(クリヤー)で下地を作ります。
Mr.COLORの41(レッドブラウン)で瞳を塗装し、瞳孔はMr.COLORの33(つや消し黒)で
塗装します。
乾燥後眼球の周りを溶剤で薄めたクリヤーブルー(エナメル)で立体感が出るように
塗装します。
〈睫毛の取付〉
付属のドール用睫毛を使用しますが、粘着剤が付いていますのでシンナーで落とします。
それぞれ半分にカットし二枚を貼り合わせ瞬着で固定しボリュームを上げます。
位置がずれている様で調整が不可能でしたら眼球パーツの中央をカットし、左右それぞれ
独立させた上で再調整します。
〈眼球の取り付け〉
瞬間接着剤で固定して再度確認をしてください。
問題がなければ裏からマジックスカルプで完全に固定します。
※完全固定のため瞬間接着剤を大量に使うと表面に流れ出す危険があります。
スムースで接着します。硬化したらマジックスカルプで隙間を埋めます。
〈マーキングデカールの貼り方〉
濡らした布の上に数分浸しデカールがシートから離れるのを確認します。
レジンパーツにデカールフィットを塗っておき、マークをスライドさせながら貼ります。
貼ったマークの上から更にデカールフィットを塗り自然乾燥させます。
〈脚の接着〉
しっかり固定します。また自立した状態で足裏の接地面がガタつかない様に注意します。
エポキシ系接着剤にマジックスムースを使用すると軸打ちの必要はありません。
〈ウロコの接着〉
凹穴にしっかり差し込めば瞬間接着剤でも大丈夫です。
接着の際、同梱の番号シートにウロコを並べてから行うと効率よく作業が出来ます。
接着面は胴体側もウロコ側もダイヤモンドビットで塗料を剥がしておきます。
作業するブロックは1)後頭部、2)右胴体、3)左胴体の順で進め、取り付けも
ウロコの番号順に接着すると隣のウロコと干渉しません。
特に後頭部は隙間がありませんので注意してください。
隙間が出来た場合はエポキシ系パテで埋めておき、硬化後胴体色でペイントします。
つや消しでメリハリを付けます。塗装の剥がれもこの時に修正。
エナメル塗料FX(艶消し)の赤、黄色、白、にX-26(クリヤーオレンジ)を少量
混ぜた色でウロコにドライブラシをかけ立体感を出します。
〈完成〉
乾燥後全体をMr.COLOR182(スーパークリアー艶消し)をエアブラシで
軽く噴いて、全体を艶消しに調整すれば完成です。
製作代行屋などで黒い墨入れをした完成品を見たことがありますが、
大変汚い印象でした。上の画像程度が照明の陰影で緻密なモールド
が浮き立ちも、一番美しいガラモンを楽しんでいただけると思います。
〈補足〉
転倒防止になりますので是非工作してください。