シワシワモールドの付け方(復元方法) |
同じ様にモールドを復元するにはどうすればよいのでしょう?というご質問をよく受けます。
また特にうちの怪獣キットは尋常じゃないほどシワを入れていますが、
どんな道具を使って入れているのか?ともよく聞かれます。
そこで口答ではなかなか伝わらないその道具の画像をズバリ公開致します。
画像左の3本は素材が柔らかい時に使い、右の3本は硬化後に使います。
ただシワと言っても色んなシワがある訳で、ここでは着ぐるみの表面に出来る
細かい“塗装割れ”や“ウレタンの折れ”表現に限定したいと思います。
材質の厚みを表現するシワの入れ方は原型製作にも通じる部分ですので、
このやり方はまた次の機会に紹介したいと思います。
最もここで紹介する内容は全て自己流でやっている事なので、軽く参考にして頂く程度で、
後はそれぞれアレンジや工夫をされたらよいかと思います。
さて最初に紹介するのは写真や画像でも確認出来る浅い“ウレタンの折れシワ”ですが、
これは基本的に素材が柔らかい段階で入れて行きます。
ただここでケガいてしまっては素材のカスが線の周りに出てしまいますので、
左の3本の様な刃が太いナイフ状のモノを使います。
この時、あまり力を入れ過ぎない程度に強弱のメリハリをつけながら、
軽く何本も線を描くイメージで入れる事がポイントです。
次に“塗装割れ”表現ですが、これはウレタンとラテックスを使い
昔の手法で作られた着ぐるみならではのものです。
また当時はビニール系の塗料がなかった為、基本的にはラッカー系の塗料を
使っていました。
柔らかい表面に硬い塗膜が出来る訳ですから当然動きについて行けず、
塗装の表面には細かいひび割れが生じます。
(ドドンゴの翼の付け根辺りを見るとそれがよく分かるかも?)
加えて熱に弱いウレタンやラテックスですから、撮影の照明や炎の熱でやられ、
それだけでも表面が細かく割れてくるという訳です。
そこでこの表現には右側のケガキ針を使うわけですが、この3本の中で
一番多用するのは右から2本目の千枚通しです。
これはコーナンに行けば380円程で売っているモノで、先端部分は焼き入れした
ハガネですので大変硬く丈夫です。
線の太さによって、太い箇所は彫刻刀を逆刃にして使い、
細い部分は一番右端にある針状のモノ(ピアノ線を研ぎ出したモノ)を使います。
後は硬化したポリパテやエポパテ、またはファンド、スカルピーの表面を
只管ケガいていく訳です。出た削りカスは古歯ブラシ等で落としてください。
ただこれを数時間続けると指先の感覚は無くなりますのでやり過ぎにご注意を。